感情のごみ箱。音楽と映画と小旅行がオアシス。映画の評価は★=1.0、☆=0.5で5つが最高。(+は個人的趣味加算・笑)

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2006-10-01 Sun 16:02
「スクラップ・ヘブン」感想
スクラップ・ヘブン
●スクラップ・ヘブン
●'05/JAP/117 min
●監督:李相日
●キャスト:加瀬亮/オダギリ・ジョー/栗山千明
●映像・音楽:★★★★
●ストーリー:★★★★
●総評価:★★★★


「世の中、痛みを想像できない馬鹿ばっかりなんだよ!」

やられた・・・。
例えば超高層ビルの屋上から力の限り叫びたいことを、全てこの映画に言われたような錯覚。
うーーーーん、これはイイ!!!!!!(゚∀゚)ノ
邦画NGとか言いながら、最近の洋画のつまらなさにいい加減嫌気がさして手にした一本がこれ。
とは言え、ふと手にしたというワケではなく、前から借りようと思っていたもののずっと貸し出し中で借りれなかった作品。
俳優に惹かれたのは言うまでもありませんが(笑)
日本の俳優で一番好きな栗山千明とオダギリ・ジョーの共演ときたら、食指が動かないワケがないvv

デスクワークばかりの冴えない警察官シンゴ、雲のような自由人テツ、そして義眼の薬剤師サキ。
偶然バスに乗り合わせた3人は、偶然、バスジャック犯の人質となり、3ヶ月後、偶然の再会を果たす。
復讐屋をするテツとシンゴの2人に、サキが求めたのは「全てへの復讐」。
そう、依頼したのはサキだった。
しかし彼女は自宅で爆薬を密造する薬剤師。その彼女の一言から、逆にテツの方が教えられたのだ。
「世界(全て)を一瞬で消す方法」を――。

一言で言えば、「リリィ・シュシュのすべて」を観た時と同じような感覚
あの映画を観た時は大学生だったけど、不安定だった中学時代を思い出しての共感の痛みに嗚咽していたことを、ふと思い出す。
しかし今回は、まさに共感の痛みだった。
在りし日の過去に立ち戻り思い出して共感するんじゃない。
実際に、「今」の自分の立場から共感して、痛みに涙した。
誰に?
テツに?シンゴに?それともサキに?
そう、この映画のテーマは「痛み」と「想像力」。
この二つのテーマと「世界を一瞬で消す方法」というテーゼを非常に上手い具合に絡め、淡々と語るストーリーテリングは最高に上手いと思った。
それから映像。
この映画の特徴、それは空が哀しいほど美しく映されていること。
街やトイレの絵ときたら、「トレイン・スポッティング」顔負けの汚さだと言うのに・・・。

さてここで質問。
このタイトル「スクラップ・ヘブン」と聞いて、あなたはSCRAPの意味を何だと想像しますか?
そしてもう一つ。
「世界(全て)を一瞬で消す方法」が、ぱっと想像できますか?
もし後者の答えが「Yes」なら、この映画を観た方がいい。きっと答えが違うことに気が付くから。
「想像力」が豊かであれば、人の「痛み」を想像する。
それは間違いなく事実だ。
なぜなら、私自身がそうだから。昔から。
体験してもいないことを、頭で想像し、まるで我が身に起きたことのように痛みに体を震わせることなど日常茶飯事だった。私の戦争に対する恐怖もそこから生まれた。
「想像力」と言えば、一般に、ファンタジーの世界を想ったり、近未来の世界を描いたり、そういうことを言うかのように捕らえられがちだ。
でもそれは少し違うんじゃないか。
想像力とは、今自分がこういう行動を取れば、そこからどのように世界が動くか、とか、その道を選んだ時に先にどんな苦難があるだろうか、とか、そう言った酷く現実的なものを思い描くことをも言うのだと思う。
よく言われるように、殴られたことのない人は殴られた人の痛みが分からないから平気で他人を殴る。
ナイフで刺されたことのない人は、その痛みも恐怖も分からないから人を刺せる。
でも実際には知らなくても、想像力を働かせれば(というより自動的にそれは働くものなのだけど)、どれだけ痛いか分かるし、手だって止まるはずなのだ。
TVを付ければ毎日流れる異常な監禁・虐待・強姦・殺人・殺人・殺人・・・。
それだって、想像力のない暇な馬鹿どもがやってること。
映画中にホームレスを数人で殴る馬鹿厨房が出てくるけど、テツがしたことは、私は当然の報いだと思った。これで痛みが分かっただろ、と。
人の痛みが分かる人とは、人の痛みを想像することが出来る人に他ならない。
この映画で、テツは、何度もそのことを叫ぶ。
「世の中、痛みを想像できない馬鹿ばっかりなんだよ!」――ああ、何て本当のことなんだろう。

「世界を一瞬で消す方法」・・・サキはそれを知っていた。
爆薬を持ってテツとシンゴの前に現れたサキに、シンゴは依頼を断ろうとした。
想像力がないからだ。
彼は、サキが大量の爆薬で、世界を消し去ろうとしているのだと考えた。安直だ。
でもテツは違った。彼は人の痛みを想像しすぎる人間だったから。彼には分かった。
サキは、自分を消すつもりだったのだと。
そう、「世界を一瞬で消す方法」――それは哀しいかな、自分を消すことに他ならない。
最もシンプルで、最も間違いのない方法・・・。
結局、シンゴだけがその方法を最後まで分からなかった。けれどその彼にも、テツが、握りしめた爆薬で何をしようとしているのかを分かるだけの想像力は、つき始めていた。
最後になって初めて、シンゴの顔がまともに映されたのはそのために違いない。

最後に、SCRAPの意味だけど、これはどちらでもアリなのかもしれない。
真っ先に想像していたのは、もちろん、「ガラクタだらけの天国」だったんだけど。
シンゴが自分たちのやった復讐の記事をスクラップしていたし、その意味でもいいのかもしれない。
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この記事のコメント
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2006-10-01 Sun 17:27 | |   [ 内容変更]
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!!!!
Sーなさんコンニチワ!!!
さっそくのコメントありがとうございましたあ(゚∀゚)ノあんまり早いから本気でびっくりしちゃいましたよ(笑)

ふふふ・・・実は「リリィ・シュシュ」を引用(?)したのは、Sーなさんへのメッセージだったりします。それほど、あなたにオススメなんです、と。
「世界(全て)を一瞬で消す方法」・・・やはりSーなさんは想像できたのですね。
実は私は、映画を見終えて、レビュを書く段階になって初めて「あっ」と気付きました(…)おかしな話ですが、監督調べようと(笑)公式サイトに行って、空とこの言葉の映像を見た瞬間、「あっ」と(笑)

「痛み」と「想像力」については、とにかく映画を観てください(笑)
きっと上手く言葉にできないけど、TVを見る度に感じていたことを、テツが言ってくれるかと。
テツを演じてるのがオダジョってのがまたいいんですわ(* ̄m ̄)個人的に「血と骨」の彼より、こちらの彼に日本アカデミーあげたいくらい(素)
Sーなさんの感想、楽しみにしてます!!!コメントありがとうございました~vvv
2006-10-01 Sun 19:09 | URL | 春生  [ 内容変更]
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