感情のごみ箱。音楽と映画と小旅行がオアシス。映画の評価は★=1.0、☆=0.5で5つが最高。(+は個人的趣味加算・笑)

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2008-08-02 Sat 23:38
「ダークナイト」感想
ダークナイト
●ダークナイト/The Dark Knight(原題)
●'08/PG-13/USA/152 min
●監督・脚本:クリストファー・ノーラン
●キャスト:クリスチャン・ベール/ヒース・レジャー/アーロン・エッカート/マギー・ギレンホール/ゲイリー・オールドマン/マイケル・ケイン/モーガン・フリーマン
●映像・音楽:★★★★☆
●ストーリー:★★★★★
●総評価:★★★★★+★


”最強 最狂 最凶”
”この夏、あなたは史上最凶の"ジョーカー"を引く! ”


一言で言おう、大傑作!!!
これは凄い…!!!本当に、(テーマが好みってのもあるのだろうけど)全てにおいて度肝を抜かれた。
そもそもアメコミ系ヒーローには興味がなく、ただスパイダーマンシリーズはそれなりに好きだし、デアデビルもなかなか好きだった。でもそれだけであり、「バットマン」だから観に行こうなんてものは一切なく。
単にヒース・レジャーの遺作だから観るしかない、とそれだけだった。
しかしまあ、何とも面白いこと、面白いこと
冒頭6分でこの映画の凄まじいまでの素晴らしさが分かるハズ…!!
マフィアが牛耳り、犯罪が日常茶飯事の街ゴッサム・シティを舞台に繰り広げられる、「結局、人間は善か悪か」を賭けた恐怖のサバイバルゲーム・・・
仕掛け人は究極の悪・ジョーカー。
ゲームの参加者はゴッサムの3000万人の市民。
ゲームマスターは皮肉にも、二人の騎士達――"Dark Knight"バットマンと"White Knight"デント。
ヒーローもので、(超自然的な力はないにしても)超人的な力を持つ主人公を置きながら、このリアリティに満ちた世界観は何なんだろう?
ストーリーが完璧なので、それをとやかく説明するのは野暮。
これはとにかく「是非観てくれ!!面白いから!!!」そう言うより他ない作品です(;^ω^)

ちなみにプログラムのイントロダクションに次のような一文がある。(以下引用)
”「羊たちの沈黙」のレクター博士、「スター・ウォーズ」シリーズのダース・ベイダーなど、スクリーンで主役を食い尽くすほどの強烈なインパクトを放ち、後々まで語り継がれている悪役たち。
ヒースのジョーカーも、間違いなくその名を映画史に永遠に刻むことになるだろう。”

これが、まさに。
この作品のバットマンもデントも非常に魅力的(特にデントは本当に素晴らしい!!)なんだけど、ジョーカーが出てくると、どうしても存在がジョーカーの前に揺らいでしまう。
耳まで裂け、真っ赤に塗った口に真っ黒に塗った目、そして指で白く塗った顔はピエロさながらで、もちろんそのルックスがまず目を惹くのは当然として、ただ立っているだけでゾッとしてしまう程の存在感ときたら…。
顔が見えない後ろ姿しか映っていないのに、その後ろ姿だけでもゾクゾク。
かと思えばナース服(メイクはそのままw)を着て登場して、ちょっとキュート?なところを魅せたり(笑)
たった一人の狂人によって、街がパニック状態になるなんて・・・。
そう問われれば「まさか?」と思ってしまうけれど、ジョーカーこの男ならばありなのだ。
"Why so Serious?"
奴はただ犯罪を楽しんで本能のままに行動するだけ。そこに計算もなにもない。(計算が得意な中国人の悪人ラウとの対比もまた秀逸。本能の前には小手先の計算なんて通用しない!!)
それなのに、街1つが大混乱に陥った。
何という絶対悪…!!!!
そして、そのジョーカーに完璧になりきったヒースの怪演ときたら…。
ヒースと言えば、やっぱり二枚目であることには間違いないと思う。アイドル的な格好良さではないけど。
それなのに、この作品で彼は一度も道化のメイクを脱がない
一度もその格好いい素顔を出さない。
ロック・ユー!」で見せたあの爽やかで明るい笑顔もなければ、「悪霊喰」のクールな格好良さもなし。
そしてもう一つ驚かされたのが、ジョーカーの声!!!!
ファン歴が長いため、まさかヒースの声が分からないことなんてないだろうと思いきや、とんでもない!!
あまりにも”ジョーカーの声”すぎて、最初の方、声だけではヒースだと分からなかった;;
3時間近い映画の中、ただ道化であり続けたこの凄さ、迫力
本当に凄まじい;;
ヒースは悪魔に魅入られた華だと思わざるを得なかった。
ジョーカーという悪魔に魅入られ、演じた本人までジョーカーが連れていってしまったんではないのか、と…。
それ程までに、圧倒的な存在だった、ヒースのジョーカー。
見終わって映画館を出た後も、ジョーカーの顔と笑い声が頭から消えない。
まァそりゃそうだ、ジョーカーって奴は結局、誰の心にも潜んでる究極の悪なんだから・・・。

最後に、これほどの俳優の若すぎた急逝は思い出すだけで今でも辛い、辛すぎる。
この作品が彼のおかげで傑作になっているのは間違いなく、逆に彼の遺作がこの作品でありジョーカー役であったことを喜ばしく思う。
ヒース、素晴らしい作品をありがとう。
下記はネタバレ有りの、個人的にクールだと思ったセリフや場面を。この映画、ネタバレ厳禁です。
1.冒頭の銀行襲撃シーンで、ジョーカーがbank managerに言うセリフ

"I believe whatever doesn't kill you simply makes you...stranger. "
”おれの信念はこうだ。死ぬような思いをした奴は――イカれる”

このセリフが
"Whatever doesn't kill you makes you stronger. "
という慣用句をもじっているところが最高にクール!!!


2.トラックに"S"を付けてjokerize!!

"LAUGHTER IS THE BEST MEDICINE!"  ”笑いこそ最高の良薬!”
このトラックのロゴに、赤で"S"を加えて
"SLAUGHTER IS THE BEST MEDICINE!"  ”殺しこそ最高の良薬!”
とjokerize(・∀・)このセンスに…クラッ


3.究極のアナキズム

"Madness is like gravity―all it takes is a little push."
”狂気ってのは重力みたいなものだ。ほんの一押しで人は堕ちていく”
"Introduce a little anarchy, you upset the established order, and everything becomes chaose."
”小さな無秩序で、序はひっくり返える。そしてすべてが混乱に陥る”


狂人のようで、事実狂人のジョーカーだけど、その根本は究極のアナーキズムにあると思う。だからこそこんなにもジョーカーに惹かれる。
そしてアナーキズムといえば――


4.ヒースが役作りにあたり参考にしたというキリングジョークのセリフから抜粋

”世界がとてつもなく悪趣味なブラックジョークだと気付いた瞬間、頭の芯までイカれたんだ!
認めるぜ!
おめえも認めなよ”

”レーダーに映ったカモの群れのおかげで、何度第三次世界大戦が起こりかけたことか…
答えをご存じかな?
それから、第二次世界大戦のきっかけは?
ドイツが一次大戦の戦勝国に引き渡す電信柱の数でモメたせいだったんだと!
電信柱だぜ!
電信柱! ”

”何もかもジョークなんだよ…
みんなが大仰に崇め奉ってるモノも、
後生大事に戦い守っているモノも、
すべては桁外れにバカげたジョークさ”


これを聞いて、キリングジョークを読みたくなった。これぞアナーキスト!!!これが背景にあるから、ヒースの演じるジョーカーが非常にアナーキーだと感じられるんだろう。


5.ラストからエンドロールにかけて、この映画で最も格好いいゴードンのセリフ

"Because he's the hero Gotham deserves, but not the one it needs right now. "
”彼はゴッサムにとって必要な人だ だけど「今」は時が違う”
"So we'll hunt him. "
”だから追う”
"Because he can take it. "
”だが彼は強い”
"Because he's not a hero. "
”彼はヒーローじゃない”
"He's a silent guardian. "
”沈黙の守護者”
"A watchful protector. "
”我々を見守る監視者”
"A DARK KNIGHT"
”暗黒の騎士(ダークナイト)だ”


そしてゴードンの最後のセリフに被せるようにタイトルロール"THE DARK KNIGHT"がバーンと…。
これはもう最高の終わり方だったね最高に痺れて、つま先まで鳥肌が立った。
正直、この最後の最後まで、私は「ダークナイト」を"THE DARK NIGHT"だと思ってた(;´д`)
それが、実は…。
デントが"White Knight"(光の騎士)と呼ばれていたのも、やたらと「光と闇」、「表と裏」を強調していたのも、全てはこのラストにもってくるためのものだったと。
ジョーカーが完全なる「闇」、「悪」でもって「光」、「正義」だったデントをグレーゾーンに変えた。
そしてバットマンは、「正義」でありながら、「闇」。
つまりこの映画に真のヒーロー(「正義である」「光」の存在)は存在せず、ヒーローものを扱いながら、ヒーローがいないという、突拍子もない、しかし傑作を傑作たらしめているわけです。
いや、マイッタ(;´д`)


6.アルフレッド、フォックス…ダークナイトの最後の理解者に重ねられる言葉

デントの罪を被ることを決めたバットマンが、ゴードンへ告げる次の台詞がある。
"Because sometimes the truth is not enough...
Sometimes people deserve more..."
「人は真実だけでは満足しない。幻想を抱かせねば」
「ヒーローへの信頼が報われねば」


この前者の台詞は、レイチェルからブルースへの手紙を秘密裏に焼くアルフレッドに、
後者の台詞は、破壊されるソナーシステムを微笑(苦笑?)と共に見つめるフォックスに、
それぞれ重ねて、バットマンの言葉として語られている。
これは、前者については、バットマン=ブルース自身も、幻想(レイチェルが自分を選んだという幻想)を抱いていなければ立っていられないことを示しているのだと思う。
それをアルフレッドは分かっているから、ブルースに真実(レイチェルがデントを選んだ真実)を隠し、幻想を抱かせる道をとったんだろう。
その意味で、この手紙を焼くアルフレッドのシーンとこの台詞が重ねらている、と。
後者については、優秀な科学者として誇りを持って仕事をするフォックスにとって、3000万人の盗聴は道義・モラルに反し、本当は絶対にやりたくはなかったこと。
だけどバットマン=ブルースを信じ、その仕事に手を染め、やり遂げてくれた。これはブルースへの絶対の信頼があったからこそで、その信頼は報われねばならないと。そういう意味で、この台詞とこのシーンが重ねられているんだろう。
余談だけども、バットマンがフォックスにこの仕事を頼む際、一言も「最後は破壊されるから」ということを言わなかった。ただ、「全て終わったら名前を打ち込め」とだけしか告げていない。
それでも仕事に取りかかったフォックスも、何も言わず、ただ信じろと訴えるバットマン…このシーン地味に格好良すぎて、ラストと並んで涙が流れるシーンです

このように、この映画は本当に隙がないくらいセリフや構成が完璧。
裏を知れば知るほど、その意味を理解すればするほどに深さが分かる、まさに大傑作ですな
別窓 | 映画・ドラマ・俳優 | コメント:1 | トラックバック:2 |
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この記事のコメント
こんばんわ。
素晴らしいレビューですね!

この映画ダークな世界観が大好きでした。
いろいろカッコイイこと満載だったのですが、
セリフがこんなにかっこよかったとは・・・。
しかも慣用句をもじったりとニクイですね。

私もDARK NIGHTだと思っていました。
それだけに、ゴードン警部補のセリフにやられてしまいました。
切ないながらカッコイイ! 最高のエンディングでした。
本当にカッコイイって事は実は"悪"も引き受けつつ、
切ないものなんですよね。
2008-09-22 Mon 00:22 | URL | maru♪  [ 内容変更]
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